大分大学 教育学部

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大学院教育学研究科 教職開発専攻(教職大学院)

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大学院教育学研究科 教職開発専攻(教職大学院)

理論と実践の往還を通して高度な専門性を備えた教員を養成します

 


就職状況

平成28年度開設以来教員就職率100%を継続中!!

 現職教員を除く教員就職率は平成28年度の教職大学院開設以来100%を継続しており,地域社会のニーズに対応した次代を担う高い専門的知識を自立的・創造的に活用できる教員を養成していると「第3期中期目標期間に係る業務の実績に関する評価結果」における「特色ある点」として高く評価されています。


令和4年度修了生の声

チームで「学校の年間指導計画の改善」に取り組むことができました!

渡邉 文代さん

令和4年度(2022年度)修了(現職教員院生)・大分県立竹田支援学校 教諭

 毎日の多忙な業務から少し離れて,学校や自分自身を見つめ直すとともに,新しい情報にもふれてみたいと思い,教職大学院への進学を決めました。また,最近は,発達障害のあるお子さんも特別支援学校に入学してきています。発達障害についての専門的知識を改めて習得し,適切な支援ができるように学びを深めたいと考えてもいました。

 進学当初は,特別支援学校における専門的指導という視点は持っていましたが,「経営」や「組織」といった視点は薄かったように感じています。教職大学院での学びを通して,私自身の中で「チーム学校」という考え方が大きくなったと感じています。そのことを通して,組織を経営・運営する立場になってみたいという思いも生まれてきました。

 実際の授業や現任校での実習で感じたことは,他の現職院生の生(なま)の困りにふれあえたことと,小学校,中学校,高等学校の現職院生と意見交換や情報交換ができたことです。 もう一つは,教職大学院の先生方が,私たちの学修したい内容に合わせて授業や正課外での指導を工夫してくれたことです。例えば,正課外にセミナーを開いてくれた先生もいて,自分が気になっていることについて,詳しくディスカッションすることができたことなどがありがたかったです。

 今後は,学校経営に参画しながら教職大学院での学びを生かしていきたいと考えています。また,教職大学院で学んだことを後輩の教員に伝えていきたいです。学校を離れ,外側から学校を見ると,学校の中がより見えてくることを実感しました。後輩にもこのことの大切さを伝えていきたいです。



令和3年度以前修了生の声はこちら


理論を基盤とする高度な実践力を身につけたい現職教員と学部卒生が対象

 教育学研究科教職開発専攻は,学部教育で培われた基本的知識と教育的指導力,また,学校教育現場における経験を通して蓄積した教育者としての資質能力を,教職大学院で学修する教育理論を基盤とする高度な教育実践力にまで高めた学校教員を輩出することで,地域の教育がかかえる課題の解決と将来の学校教育の発展に寄与することを基本理念としています。この理念に基づき,本専攻では,「新たな学校づくりにおいて指導的役割を果たし得るスクールリーダー」や「新しい学びや多様な教育課題に対応し得る実践的指導力をもった教員」を養成することを目的とします。

4つの分野でプロフェッショナルを育成

 各々の院生の問題意識や関心,修学目的,キャリアステージに応じた発展的な学修によって,「学校経営」,「授業開発・教科教育」,「学級経営・生徒指導」,「特別支援教育」の4つの分野でプロフェッショナルを育成しています

全ての教育実践研究報告書の題目はこちらから閲覧することができます。


多様な学びのニーズに応える充実の指導体制

 大学院生の多様な学びのニーズに応えるため,教育学部や附属教育実践総合センターの教員も兼担教員として教職大学院の授業科目を担当しています。 *教職大学院教員紹介はこちら

教職大学院のカリキュラムイメージ(修了要件45単位)


*「教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー:CP)
* 授業科目一覧は「
学生募集要項」14ページをご覧ください。   
*「教職開発専攻(教職大学院)シラバス

教職大学院の実習


取得できる免許状の種類

 幼稚園教諭専修免許状,小学校教諭専修免許状,中学校教諭専修免許状,高等学校教諭専修免許状,特別支援学校教諭専修免許状(領域:知的障害者,肢体不自由者,病弱者)
 一種免許状を取得している者が当該専修免許状に必要な単位を修得して本研究科を修了すれば,専修免許状が取得できます。(くわしくは
こちらからご確認ください)

授業風景

 教職大学院の授業では,教職に関わる理論はもちろんのこと,
・グループ討議や学校現場での実際の事例検討などアクティブな授業方法
・学部卒院生と現職教員の院生やさまざまな専門性や関心を持つ院生同士による学び合い
を採用することによって,より学校現場に近い状況での学びを実現し,理論と実践の往還を実現しています。

 

 


令和3年度以前の修了生の声

教員に必要な専門性をさらに高める2年間でした

白石 遼太郎さん

令和3年度(2021年度)修了(学部卒院生・私立大学卒)・佐伯市立本匠中学校 教諭

 学部生の頃,教職大学院へ進学するべきか学校現場に出るべきか迷いましたが,教職大学院でしっかり腰を据えて学ぶことが,将来出会う子どもたちのためになると思って進学を決めました。

 進学してからは,院生の仲間から学ぶことが多くありました。例えば,現職教員の院生との関わりの中では,学校現場の話をたくさん聞くことができたことが良かったです。授業の苦労話や生徒指導の難しさだけではなく,それらに対して現職院生がどのように考え,どのように対応したかということまで,何気ない会話の中で教えていただきました。自分では思いつかないような取組や対応を聞かせていただけたので,たくさんの発見や学びがありました。

 また院生仲間は,それぞれの専門性や研究テーマを意識して学修に取り組む,意欲の高い人ばかりで,とても刺激になりました。教員になってからの強みとなるような専門性を持つことができれば,自分の授業ももっとしっかりとしたものになると考えて,研究に取り組みました。私は防災教育に関する研究に取り組みましたが,教育学部の地理学や防災教育を専門としている先生(兼担教員)から教材づくりについて学んだり,フィールドワークに連れていっていただいたりしました。自分の専門性を高める上でとてもよい機会だったと思います。

 研究してきたことを,実習校で授業として実践することはとても難しかったです。しかし,災害から子どもたちを守るというとても大切なテーマですし,やりがいを感じて取り組むことができました。教職大学院で研究したことをさらに良いものへブラッシュアップして,実践していきたいと思っています。


自身の興味・関心のある学修や長期の学校実習を通して,教職に就くにあたっての不安が解消しました!

里見 日菜さん

令和3年度(2021年度)修了(学部卒院生・大分大学教育学部卒)・中津市立如水小学校 教諭

 大学の4年間の学びだけで,学校現場に出ることには大きな不安を感じていました。また学級経営については,学部の授業や短期間の教育実習だけではなかなか具体的なイメージが持てず,4月からすぐ担任になって,どのような学級経営を行えばよいのか,非常に不安でした。そんな折に教職大学院の進学説明会があることを知り参加しました。その際に授業づくりだけでなく学級経営についても学べるということで,両親に相談して進学を決めたのです。

 教職大学院では,私が不安を持っていた学級経営についての理論を学びつつ,興味を持っていた児童の個性を引き出し生かす指導の工夫ということで,道徳科の授業づくりについても学ぶことができました。このことは,教員になってからも大いに役立っています。さらには,同一校での長期の実習では,様々な学年や学級の子どもたちや教員の具体的な姿にふれあうことができ,また年間を通じて学校行事に参画することができました。このことも1年間の学校生活のイメージを持つ上で,大変参考になりました。

 実際に学校現場では,教職大学院での学修に基づいて,日々起こる様々な出来事に応用しながら対応しています。大変なこともありますが,児童の成長を感じられるやりがいのある仕事です。また,周囲の先生方からも手厚くサポートいただき,本当にありがたく思っています。私も少し困ったことがあれば,何でもお伺いするようにしています。

 教職大学院での2年間は,自分が何に不安を感じているのか,そしてどうすればそれらの不安が解消できるのかが明確になった,とても貴重な2年間でした。


学部での学びを活かし,実践的な学修をすることができました!

古長 令伊さん

令和3年度(2021年度)修了(学部卒院生)・大分県立新生支援学校 教諭

 教育学部の4年間で,様々な障害種の子どもの特性や様子,それらに対して考えられる支援などに関する基本的な知識を学んできました。教職大学院では,さらに実践的なことも学びたいと思って進学を決意しました。教職大学院ではディスカッション形式の授業が多く,現職院生の豊富な実践経験に根ざした考えは,今まで自分が考えたことのないような,新しい視点を得ることができてとても勉強になりました。

 また実習では,実習校での実践で明らかになった課題を大学院に持ち帰り,指導教員の先生たちと相談して,次の授業実践を行う,というPDCAサイクルで取り組んでいきます。授業実践の様子を,大学院の指導教員にも観察してもらい,一緒に協議しながら次の授業への対策を考えることで理論に根ざした実践力を付けていくことができました。

 学校現場で仕事するようになって,こうした教職大学院での学び方は,実際の教職の取組にとても近いと思いました。今も,毎日「試して,考えて,改善して…」ということを繰り返しながら実践しています。教職大学院での学びが学校現場で働くにあたっての良い準備になったし,実際の教職の取組に深く関連している,意味のあることだと改めて実感しました。

 教職大学院での2年間は,実際の学校現場のイメージを豊かにすることができる,有意義な時間でした。進学して絶対に損はないので,将来の教職に不安を持っている人は,ぜひ大学院に進学することをお勧めします。


学びについての価値観や授業スタイルが転換しました!

田村 正樹さん

令和3年度(2021年度)修了(現職院生)・大分県立大分雄城台高等学校 教諭

 大学院に進学して,「学び」というものについて知らないことがたくさんあることに気づかされました。それまでは,内容をいかに生徒に伝えるかということばかりを意識した授業をしていましたが,そういう授業では,教えた時はできたとしても,時間がたつとできなくなるということが多くありました。しかし,「学び」がどのように生まれるかという学びの理論を学んだことで,生徒の既有知識や学習履歴を生かすこと,問題に取り組む上で必要な新しい見方や考え方に気づかせることを重視した授業づくりをするようになりました。今では,問題の解き方や手順を一から十まで教えるようなことはしなくなりました。生徒たちも解き方を覚えるという学び方から,様々な考え方を,試行錯誤をしながら身に付けていくという学び方に変わってきています。

 学校で求められる授業づくりは大きく変わってきています。この変化はHow Toを学ぶだけでは乗り越えられないと思います。これから求められる新しい「学び」を追究していくことができるというのは,大学院進学の大きなメリットだと思います。

 


学校における意思決定の「拠り所」となる「組織観」や「経営観」を育むことができました!

城内 一孝さん

令和2年度(2020年度)修了(現職教員院生)・別府市立上人小学校 校長

 教職大学院での学びによって「組織」や「経営」に対する「ものの見方」が変わりました。入学前は「組織」といえば「ピラミッド型」,「経営」といえば「トップダウン」というイメージでしたが,組織や経営に関する理論的な学びを通して,教職員の「協働」がいかに重要であるかがわかりました。「組織観」や「経営観」を育んだことで,学校管理職として力を入れるべきところが見えてきますし,意思決定の「拠り所」ができたと実感しています。

 教職大学院の授業で印象に残っているのは,事例を分析して解決策を検討する「ケーススタディ」による演習です。他の院生や大学院の先生方の分析視点に触れることで自分の視野を広げることができました。「正解のない問題」についてよりよい解決策を検討した経験を積み重ねたことは,様々な問題に際し判断を下さなければいけない校長の職務に生かすことができています。

 在学時は「学年部会を活用した若手教員の力量形成」をテーマに実践研究に取り組みました。大学院での研究指導では,自分のやりたいことや思いを語ると,それを先生が意味づけてくれました。自分ではグチャグチャで整理がつかなかったものが一つ一つ意味づけられることで,筋の通った論理になっていきます。その過程を通してやるべき方向性が見えてきました。自分のやりたいことや思いから出発してそれが意味づけられるからこそ,先行研究に学びつつ自分なりに理論的な枠組みを現任校の状況に合った形でアレンジすることができました。

 教職大学院での学びを生かして,教職員で子どもの実態を出し合い,共有し,課題を見つけるという経営プロセスを大事にしています。このようなプロセスを経て,教職員や子どもと目標を共有できる学校づくりを実現したいと考えています。


現場の感覚を感じながら,自分の知識を深める

凌 悠河さん(教職実践コース)

令和2年度(2020年度)修了(学部卒院生)・佐賀県上峰町立上峰小学校 教諭

 大学院に進学して良かったのは,学部時代に学んだことをもう一段階深く学修することができたことです。大学院の授業では,現職の先生方と学部卒院生がいっしょに授業を受けることがあります。現場での実体験が背景にある現職の先生方とのディスカッションは,学部時代には経験のできなかったことです。自分自身の知識を,現職の先生方の経験と結びつけて考えることで,学部在籍時より学校現場のイメージが具体的につかむことができたと感じています。


教職について,具体的なイメージがもてるようになりました

松岡 萌さん(教職実践コース)

令和2年度(2020年度)修了(学部卒院生)・大分市立城南小学校 教諭

 (他県の大学の)学部を卒業する時には,小学校の教員になることが不安で,大分の大学院で学んでから就職したいと思って進学しました。教職大学院の実習では,学校がどんな様子なのかを見ることができたのが良かったです。学部での教育実習はすることが多くて,なかなか余裕がありませんでした。そのため実習後も学校についてのイメージは漠然としていて,教師として何をすればいいのかわからないという印象がありました。しかし,教職大学院の実習で長期間学校に関わることで,ゆっくり学校のことを知ることができました。丸つけや印刷の手伝いをしたり,担任の様子を近くで見たりしながら,こういう学習をするんだ,こうやって児童と関わるんだ,という気づきがたくさんありました。実習校の先生が,「免許も持っているし来年から担任をするのだから」と,いろいろな仕事を経験させてくださったのが,とてもいい学びになったと思っています。


自分が学校経営をする際の「拠り所」を得ることができました!

松本 俊也さん(学校経営コース)

平成30年度(2018年度)修了(現職院生)・中津市立樋田小学校 校長

 私は「校内研究・研修を通した人材育成」をテーマに研究に取り組みました。

 教職大学院での学修を通して,自分が学校経営をする際の「拠り所」を得ることができたと感じています。教職大学院では教育を取り巻く最新の状況を把握しながら学校経営について考えることができます。また,学校経営の理論を学ぶことで,学校組織が抱えている問題を捉え,解決すべき課題を見いだし,問題解決を図るための「道筋」を考えることができます。

 今後,管理職やミドルリーダーになられる方とって,教職大学院は有益な学びの場だと実感しています。また,教員志望の学生や若手教員の方にとっては,経験豊かな現職院生と教材研究などを進められるため,現場での実践力が培われると感じています。