教育学研究科 教職開発専攻

(1) 教育学研究科教職開発専攻の目的
 教職開発専攻では,学部教育で修得した学校教育の基本的知識ならびに学校教育現場における教師としての経験や知見を土台に,大学院における「理論」の学習と学校における「実践」の経験の往還を通して,新しい学校づくりにおいて指導的役割を果たし得るスクールリーダー(管理職等)の養成(学校経営コース),および,新しい学びや学校現場での今日的教育課題に対応し得る高度な実践的指導力をもった教員の養成(教職実践コース)を目的としています。

(2) 専攻・コースの概要
*教職開発専攻
 教職開発専攻のすべての授業は,教育学研究をバックグラウンドとする研究者教員と学校現場での実践経験が豊富な実務家教員の協働で行われます。カリキュラムは「共通科目」,「コース科目」及び「実習科目」が設定されており,「共通科目」,「コース科目」の科目は,演習を中心としたグループ討議やワークショップの演習形式を取り入れ,具体例に基づいた事例分析やデータ分析を行います。このうち「共通科目」においては,学部卒院生(ストレートマスター)と現職院生が一緒に学ぶことで,実際の学校現場のような協働的な教育研究の場が創られることが期待されます。「実習科目」は学校現場での実習で,2年間で総計50日(400時間)が充てられています。このようなカリキュラム全体を通して,理論と実践を身につけ,両者の往還を通じて,学校教育における高度な実践的指導力の修得を目指します。

*学校経営コース
 学校経営コースは,組織開発に取り組み学校改善を率先するスクールリーダー(学校管理職)を養成することを目的としたコースです。多様な課題に直面している現代の学校教員,特に管理職には,人・物・金,そして情報という資源を活用し,組織の力をより高めるマネジメント力が求められます。そのため,学校組織マネジメント,危機管理,教職員の職能開発,地域等との連携など今日的課題に取り組むための基本的な知見を学修しながら,新しい“学校づくり”の実践的指導力を養成するカリキュラムが設定されています。

*教職実践コース
 教職実践コースは,高度な実践的指導力を持った教員を養成することを目的としたコースです。今後の教員に求められる力,例えば,知識・技能を活用する学習活動,課題探究型の学習,協働的な学び,ICTの活用など,新しい学びをデザインできる力,さらには,学校内外の様々な資源を活用し,地域の人々と協力しながら,組織的に子どもたちの自己指導能力を育成することのできる力など,学校現場の今日的課題にも即応できるような力量を養成するカリキュラムが設定されています。

教育学研究科 学校教育専攻

(1) 教育学研究科の理念
*学校教育専攻
 学校教育専攻は,「学部教育で修得した学校教育の基本的知識及び学校教育現場における教師としての経験や知見を土台に,更に学校教育における理論と実践に関する学術分野の総合的な教育・研究を行うことにより,高い研究能力と教育的指導力を備え,実践力豊かな人材を養成するとともに,地域教育の発展に寄与する」ことを理念としています。

 本専攻の学生は,「学校教育コース」又は「臨床心理学コース」のいずれかのコースに所属し,必要な授業科目を履修して,上記の目的を達成しなければなりません。

(2) 専攻・コースの概要
*学校教育専攻
学校教育コース
 教育学,教育心理学,特別支援教育,教育実践などの分野における専門的な学習に基づいて,各分野の諸問題についての理論的研究と現実の教育問題を解決するための実践的研究を行います。

臨床心理学コース
 臨床心理学や心理療法,カウンセリング,心理査定などの理論や技法,および援助スキルに関する専門的な知識を深め,学内外での臨床心理実習を通じて心理臨床の実践力の修得を目指し,さまざまな臨床心理学的課題やこころへの援助についての研究を行います。なお,本コースは,臨床心理士を養成するためのコースとして,公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会より『第1種大学院』の指定を受けています。