授 業 科 目必修・
選択別
単位数対象
学 年
学期曜・限担当教員
教育哲学演習
Seminar in Philosophy of Education
選択21,2  鈴木 篤
内線:7539
e-mail:atsuzuki@oita-u.ac.jp
【授業のねらい】
本授業において受講者は、教育哲学の理論に関する発展的な知識を習得する。また、教育哲学的な視点に基づき、現代的教育課題を解決するための判断力と問題解決能力を深化させる。
【具体的な到達目標】
①教育哲学の理論に関する発展的知識を獲得する
②専門的知識に基づき、教育哲学的な視点から現代的教育課題を解決するための方法を考える。
③理論と省察の往還を繰り返すことで、判断力と問題解決能力を深化させる。
【授業の内容】
1.導入
2.学力論:能力とは何か
3.学力論:学力とは何か
4.学力論:「楽しい授業」論の問題点
5.学力論:外国にみる学力・教育観1
6.学力論:外国にみる学力・教育観2
7.教育の原理:パターナリズムと教育
8.教育の原理:近代日本の教育
9.教育の原理:現代日本の教育
10.教育の原理:学校教育の要件
11.教育の原理:教育者の課題
12.教育の原理:教育と能力形成
13.教育の危険性:フーコーの規律化論
14.教育の危険性:ヴィトゲンシュタインの他者性論
15.教育の危険性:教育の限界と可能性
授業にあたっては事前に指示した文献(論文)を熟読してくることを前提とし(=理論の学習)、授業においては教育場面を想定した具体的な事例を題材として、主として受講者間、受講者-教員間での議論によって各自の思考を深化させる(=理論に基づく省察)。
【時間外学習】
毎週、指示された文献(論文)を熟読し、内容を自分なりにまとめてくること。(読書レポートの作成・提出を指示する場合もある)。
発表を伴う回においては、担当者は人数分のレジュメを準備すること。
【教科書】
・久賀隆之(2007年)「構成概念としての「能力」に関する考察」、『教育学研究紀要』第53巻、222-227頁。
・市川伸一(2002年)『学力低下論争』筑摩書房。
・松下良平(2003年)「楽しい授業・学校論の系譜学」、森田尚人ら編著『教育と政治』勁草書房、142-166頁。
・岩渕秀樹(2013年)『韓国のグローバル人材育成力』講談社。
・堀内都喜子(2008年)『フィンランド豊かさのメソッド』集英社。
・帖佐尚人(2012年)「子どもの自由制約原理としてのパターナリズム」、『教育哲学研究』第105号、88-108頁。
・広田照幸(1999年)『日本人のしつけは衰退したか』講談社。
・志水宏吉(2014年)『「つながり格差」が学力格差を生む』亜紀書房。
・オリヴィエ・ルブール著、石堂常世、梅本洋訳(1984年)『学ぶとは何か』勁草書房。
・桜井哲夫(2003年)『フーコー』講談社。
・丸山恭司(2000年)「教育と他者性」、小笠原道雄監修『近代教育の再構築』福村出版株式会社、192-205頁。
・鈴木篤(2009年)「一九二〇年代ドイツ「教育の限界論争」の再検討」、『教育哲学研究』第100号、105-123頁。
受講者の数に応じて、可能な限り、これらの図書は貸し出しを行う。また、論文等はコピーを配布する。
【参考書】
・岩本茂樹『先生のホンネ』光文社、2010年。
・諏訪哲二『なぜ勉強させるのか』光文社、2007年。
【成績評価方法及び評価の割合】
・指示された課題への取り組み・準備(50%)
・授業中の発言(50%)
・授業時の討議に積極的に参加しない者については減点を行う(0%〜-50%)
・受講態度(出席状況を含む)の好ましくない者については大幅な減点を行う(0%〜-100%)
【注意事項】
受講生の状況に応じて、授業内容を変更することがある。
【備 考】
①他者の発言に対しては、その肯定・否定のいずれであっても、他者の人格に対してではなく、意見内容に対して応答を行うこと。
②他者の発言に対する否定的見解を述べる際は、まず他者の見解が持つ長所や可能性について言及し、その上で不足している点を指摘すること。
③常識にとらわれない挑戦的な発言に対しては、当該発言が議論を促進するものである限り、高く評価し、敬意を払うこと。