現代において，幼児教育・保育は少子化社会への対応を中心とした量的な充実のみならず，保育の質の向上とそのための幼児教育・保育者の専門性の確立・深化に大きな期待が寄せられている。
　本時では，幼児教育・保育の全体構造の中で保育内容をとらえ，具体的な保育内容の構成や保育の展開・評価について学習する。また，多様な保育ニーズへの対応や幼稚園・保育所・地域・小学校との連携，保育者の資質向上等の課題についても学習を進めるとともに，それらの学習内容を具体化した計画の作成，遊びや生活を通した総合的な指導方法を学ぶことを目的とする。

１．幼児教育・保育における保育課程全体の構造について理解する
２．現代の幼児教育・保育の実践的課題について理解するとともに，その解決に向けた方策について考察することができる
３．幼児の発達状況に応じた保育の内容を計画することができる
４．幼児教育者としての自己の実践に対する省察と改善に意欲的に取り組むことができる

第１回：幼児教育・保育の基本的理解
第２回：保育内容の構成と内容（１）　保育内容の構成
第３回：保育内容の構成と内容（２）　教育課程編成の意義
第４回：保育内容の構成と内容（３）　５領域の内容
第５回：保育内容の構成と内容（４）　保育内容の変遷
第６回：幼児の発達段階と保育内容（１）　３歳児の保育を事例に①
第７回：幼児の発達段階と保育内容（２）　３歳児の保育を事例に②
第８回：幼児の発達段階と保育内容（３）　４歳児の保育を事例に①
第９回：幼児の発達段階と保育内容（４）　４歳児の保育を事例に②
第１０回：幼児の発達段階と保育内容（５）　５歳児の保育を事例に①
第１１回：幼児の発達段階と保育内容（６）　５歳児の保育を事例に②
第１２回：現代の幼児教育・保育の実践的課題（１）　小学校の教科内容との関連
第１３回：現代の幼児教育・保育の実践的課題（２）　子育て・親育ち支援
第１４回：現代の幼児教育・保育の実践的課題（３）　地域との連携
第１５回：多様化する保育ニーズと今後の展開
【学生がより深く学ぶための工夫】
・授業内では，学生の主体的な参加を計るため，学生に意見を述べてもらう場面を頻繁に設ける。
・多様な見方に気づくため，受講生間の相互評価を取り入れるとともに，評価を踏まえた自己ならびにグループでのふり返りを重視する。

　幼児教育・保育に関する文献やビデオ，さらには教育番組などに興味・関心をもち，日常的に資料・情報の収集に努める。また，手遊びや絵本などについて，自己の興味・関心のもと情報収集に努める。
　授業内での発表の際には，資料作成等を時間外に行うことがある。

なし

・「幼稚園教育要領」　　・「保育所保育指針」　　・「幼保認定こども園教育・保育要領」

・中間レポート　３０％　　・期末レポート　４０％
・授業中の発表・グループ活動への取り組み状況等　３０％

本講義は、一部でグループワークなどの演習形式にて進めるため、受講生の積極的な授業参画を望む。

　履修者の関心ならびに授業の進捗状況によって，講義内容・計画を変更することがある。
　授業・課題への取り組み状況などは，成績評価に厳密に反映する。